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「ねぇアレン、暑くない?」
それは記録的な真夏日となった日の夜中
「暑いですねー」
今はお互い、一通り汗も他も流し出した後
「や、違くてさ、アレンがさ、シーツをさ…」
今回はちょっとヤリすぎた気が微かにしてる
「ラビには顔見せただけでも何されるかわかりませんから」
聞こえる声はシーツの中からのくぐもったもの
「…ごめん、ほんっとごめん、反省してますゴメンナサイ」
両手をキツク合わせて詫びても見てもらえてない
「謝るくらいなら最初からしないで下さい」
腰とか肢とか、多分身体中キシキシいってる
「じゃあ言い訳してもイイ?」
唇を耳があると思われる場所に近付けて
「納得できる言い訳なんてありませんよ」
壁の方に寄られたらチョット傷つくんだけど
「ンとね、俺は今日、長ーい任務から帰ってきたっしょ?」
長かった、会えない時間、辛かったんだ本当に
「俺、アレンにすっごい会いたくて探し回ったの」
疲れなんて忘れるほどに、必死だった
「でも見つけられなくて、がっかりしながら部屋に戻ったらさ」
吃驚した、扉を開いた瞬間の光景
「アレンが俺のベッドで泣いてんだもん、反則でしょ?」
肩を震わせる君を、どう慰めれば良いかなんて考えられなかった
「タダイマって言ったら縋りつかれてさ、無理だって」
我慢とか、気遣いとか、理性だって忘れてた
「でも悪いことしたって思ってるから、ゴメン」
最後の方は消え入りそうな声、情けないけど
「僕、ヒドクされたの怒ってません」
大分経ってから聞こえた、また震える声
「僕だって無理だったから、自分が嫌で…」
でもはっきりとした声は、俺には意味がわからない
「…ッ、どうしようもなくラビが欲しかったのに」
震える声にまた吃驚させられる
「ずっと素直になれなかった自分が嫌なんです…!」
動いた拍子に見えた耳は真赤、ああもう、どうしよう
「アレン、じゃあ今から素直になって?」
極力優しく頑張って言う
「今度は優しくするからさ」
まだ俺の欲深さはバレてない筈









* * * 2005/7/20

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